ICT施工で行う盛土の品質管理は、含水比の管理が重要になります。
ICT施工は、本施工前に試験盛土と言って本施工と同じ環境で盛土をし、転圧回数を事前に決めています。
雨が降って土の含水比が大きく変わったけれど、転圧回数は変えずにそのまま施工をすると・・・
当たり前ですが施工後の品質に大きく影響してしまいます!!
そんな事が起きないように、毎日の含水比測定で試験盛土の時の環境と変化がないかを確認しているんですよ!
含水比測定と言っても、センサーを土に差し込むだけで数秒間で含水比が測定できます。
作業自体はとても地味ですが、とっても大事な仕事をしています。
樋門・樋管本体工の重要な部分、ゲートを据付けます。
このゲートは水位が高くなった時、逆流を防ぎ住宅側に水が流れないようにします。
逆に堤防内の水を河川へ排出する機能や、河川の水を取水する機能もあります。
従来の作業員が人力で行っていた「引き上げ式ゲート」は、作業者が現場まで行って人為的にゲートの開閉を行っていました。
今回据付けたゲートは「オートゲート」なので、無人で水位の変動に合わせて自動で開閉をします!
また、夜間や深夜の突発的な増水などの場合でもタイミングを逃すことなく自動でゲートが開閉します!!
ここ最近は短時間で記録的な集中豪雨が頻発しているので、自動開閉ゲートはとても重要視されていて設置数も増えています。
このように、とても重要な役割のあるゲートを据付た後は発注者立会での品質確認があります。
水の出入りする吐口の高さ、ゲートの通常開放度が約8度になっているか、ゲートの隙間が1mm以下か、等々の検査を行いました。
え?結果ですか?もちろん合格でした!
完成が近づきつつある全景を近々ご紹介しますので、もう少々お待ちくださいね!
とうとうこの日を迎えました。えぇ、そうです。中間検査です。
樋門と樋管は埋戻しをして見えなくなるので、中間検査は必ず埋戻し前に行います。
設計通りに施工が出来ているか、品質・出来形・出来栄えを発注者・受注者の両方で確認します。
資料を見ながら説明したり、現場で実際に構造物を計測したりと細かくチェックが入ります。
検査に向けて聞かれることなどを想定して準備万端で挑みましたが、やはり緊張しました!!
ちなみに、この中間検査は昔からあるものではなく、平成7年に発生した「阪神・淡路大震災」において
施工不良や手抜き工事等による欠陥が原因となった建築物の倒壊が多く、被害も甚大だったことから平成11年からスタートしました。
工事完了時ではなく、中間検査で早期に不具合を発見することで、品質向上と大規模災害時の被害軽減を目指せますからね。
話は戻り、検査は無事に合格を頂きました!!さっそく埋戻し作業を進めています。
お待たせいたしましたー!ついにコンクリート打設しました!!
配筋検査とコンクリートの品質検査も無事合格したので、樋管本体のコンクリート打設を行いました。
打設後は検査があるのですが、その前に細部の処理を行います。
型枠を組んだ時に出来た金具の跡が穴になっているので、それを埋めなくてはなりません。
この処理をしないと、穴から水が浸入してしまうので細かいですが重要な作業です。
数も多いのでとても大変ですが、そこはベテランの成せる技。あっという間に充てん完了しました!
そしていよいよ、社内の品質確認担当者立会いで出来形・品質・施工がきちんと行われたかを確認します。
この検査は第1段階です。ここで何か問題があれば次の検査には進めませんので、実は緊張で心臓がドキドキしていました。
2枚目の写真は、コンクリートの強度を測定しています。
コンクリートに打撃を与えて、返ってきた衝撃の反射の強さを図っています。非破壊で行える検査なので、とても簡単に行えます!
品質証明員の確認も無事に終わり、次は発注者の立会で中間検査が行われます。
中間検査に向けて準備を進めます。まだまだ気が抜けません。
コンクリート打設前に、立会確認がありました。
1枚目のかぶり厚さは、鉄筋の錆びを防いだりコンクリートの強度を保つ重要な部分です。
ここの厚さが足りないことは絶対に許されません!!鉄筋組立後の検査では必ず確認される場所になります。
もちろん計画通りに施工をしているので、自信はありますが検査時はいつも緊張します。。。無事合格でした!
次にコンクリートの品質検査も行いました。
コンクリートの品質検査はいくつか項目がありますが、今回は塩分量の検査です。
塩分が高いと中の鉄筋が腐ってしまったり、コンクリートのひび割れなどを起こして将来的に構造物の耐久性が下がります。
それは絶対に避けたい!ということで、塩分の含有量を調べるわけです。
2枚目の写真は試験の様子、3枚目の写真は試験結果です。塩分があると検体の色がオレンジから白に変化します。
と言っても、白くなったから塩分が高い!という訳ではなく、別の計算方法で塩分の含有量を算出します。
他にも強度や粘度、空気量の検査も全て合格したので、今度こそ打設へと作業は進みます!。
前回の記事でPC函渠をPC鋼棒で連結させていくというお話をしました。
この作業ではPC函渠とPC鋼棒で函渠を「一体化」させていたんです。この「一体化」が重要なポイント!
部材同士が一体化しているので、例えば何かがあって部材が変形しても、接合部は変形しません。
地震などの外力が加えられてもグラつきにくいんです!!なぜ、そんな事をするのか?
今は土が盛られていない状態の時は問題ないですが、これから盛土をするので函渠は沢山の土で埋まります。
盛土をすると土の重みでもともとの地盤が沈下するんですね。
その時に樋門の接合部分の柔軟性を活かして、地盤沈下に追従するような仕組みになっているんです!
コンクリートは内側に圧縮する力には強いのですが、外側へと引張る力には弱いという特性を持っています。
そこで、PC鋼棒を函渠に通して引張って固定をします。
するとPC鋼棒が元に戻ろう(縮もう)とするので、コンクリートにも圧縮される力が働きます。
この棒を引っ張る作業を「緊張」と言うんです。緊張確認て何か分かりませんよね?
緊張・・・ドキドキ・・・心臓の検査かと最初は思いました。
現場での緊張は心臓検査ではなく、引張ることでした。土木用語は奥が深い・・・。
樋門・樋管本体工の主役の登場です。今回はプレキャスト函渠を使用します。
まずは搬入された材料の材料検査です。PC函渠、鋼棒、ワッシャー、ボルトなどなど・・・
大きなものから小さなものまで(ん?昔どこかで聞いたことがあるフレーズ)、全て確認・撮影をします。
材料検査は、発注通りの品質・数量・仕様などを満たしているかを検査し、確認する大切な作業です。
竣工検査の時にどのように材料検査をしていたか確認されることがあるので、写真と記録を残して現場で管理をしています。
材料に問題がないことが確認できたので、据付作業スタートです!
大きなPC函渠は、作業員が巻き込まれないように安全面には特に注意して搬入と据付をします。
その次はPC鋼棒を挿入してPC函渠を連結させていく作業を繰り返します。
樋門・樋管本体工はまだまだ続きます!!
ICT建機を使って施工を行う場合、位置情報や作業装置の精度を定期的に確認・調整する必要があります。
実際の施工では、衛星からの位置情報をもとに盛土や掘削を進めていきます。
そのため、その位置情報にズレがあると施工の精度にも大きく影響が出るので、施工前の精度確認がとても大切になります。
確認方法は、バックホウやブルドーザーの姿勢を変えながら角度・高さ・距離などを測定します。
その測定した数値と地上から測定した位置との差を確認していきます。
この位置情報の差が規格値内であれば合格となり、ようやく施工に進むことが出来ます。
全く話は変わりますが、堤防の段切りが完了しました。
見てください!このきれいなカーブと直線!!あまりに綺麗に完成したのでご紹介させて下さい。
さすが、ベテランの成せる技ですね。
今日は工業高校の生徒さんたちが現場見学会に来てくれました。
普段は学校で土木の基礎や実技を学んでいる工業高校の生徒さんたちに、リアルな現場を伝える事が出来るチャンス!!!!
ICT施工を実施してる今回の現場で、あれこれ体験して頂きます!
まずは今日の見学会でも事故が発生しないよう、VRを使って現場で起こりうる様々な事故を体験。
安全意識が高まったところで早速、ハーネスをしっかりつけて高所作業車へ乗り込みます!
かなりの高さに生徒さんも驚いていましたが、実際に作業をする上での注意点などをお話しました。
続いては個人的に一番伝えたい、ICT施工についてです!
デジタルデータを活用した鉄筋の出来形計測を一緒にやってみたり、ドローンを使っての測量についても説明しました。
デジタル化が進んでいる現場に、生徒さんたちの目もキラキラしていて楽しそうに聞いてくれていました!
こちらの高校の卒業生は我が社にも入社しています。近い将来一緒に仕事が出来る事を楽しみに待ってます!
樋門・樋管本体工の作業が進んでいます。
鋼矢板を打込んだ後もさらに掘削をし、均しコンクリート打設まで完了しました。
均しコンクリートは、地盤面の凹凸をなくして水平な面をつくるために打設します。
構造上の強度は求められないので、鉄筋は入れなくて大丈夫です!(写真にも鉄筋が入っていないですよね)
強度が求めらないとはいえ、これから樋門・樋管がこの上に造られていく基礎となる重要な部分です。
打設前にはきちんとスランプ試験をしているので、もちろん品質も問題ありません!
均しコンクリート打設が終われば準備は整いました。これから主役たちが登場します。
鋼矢板は、山留壁の1つですが、樋管における鋼矢板は、建設用語でうなぎ止めと言われます。。
構造物と堤防の隙間を水が浸透し、堤防が削れてしまうのを防止する効果があります。
水の流れで削れてしまうことを「洗堀(せんくつ)」と呼ぶのですが、まさに、隙間を水が浸入していくさまが、
うなぎが土の中に様子に似てることから、一説では、うなぎ止めと名前がついたそうですよ。
また今回使用した、鋼矢板は、公共土木で初となるグリーン鋼材を使用しております。
SDGsが言われている昨今ならではの、環境負荷低減になる材料なんです!
詳しくは、難しい話となりますので「グリーンスチール」で検索してみて下さい!
今回はバイブロハンマーを使って14枚の鋼矢板を打設しました。
バイブロハンマーは、打ち込み用の杭打機に比べると大きな騒音が発生することもないので、
現場周辺の皆さまにも騒音でご迷惑にならないように作業を進めることが出来ます。
打設完了時には段階確認も行い、無事に合格を頂きました。
携帯を持って何をしているのでしょうか?
短時間で高精度な測量を行えるという3次元測量アプリを使って測量中でした。
携帯とGNSSレシーバー、アプリだけあれば誰でも簡単に測量ができる!というので、実際に使用してみると・・・
歩く→GNSSレシーバーを置いて標定点を定める→最後に検証点を定める。これだけで測量が完了しました。
しかも測量完了と同時に3次元点群データが表示されるので、圧倒的に作業時間が短いです!しかも誤差が少ないんです!
今までのトータルステーションを使っての測量と比べると、作業時間が最大90%カット!作業コストはな、なんと最大80%カット!!
ちょっと興奮してしまいました・・・。技術の進歩で現場に革命が起きています。
面白い名前の製品ですよね。こういうのを見ると名前の由来が気になります。一体何に使うでしょうか。
排水路工の施工が始まり、まずはコンクリート打設をするための鉄筋を組んでいきます。
組立が完了したら配筋の出来形測定、底版のコンクリート打設と作業は進みます。
今回は底版コンクリート打設後に、コンクリート表面のパワーアップとひび割れ防止の対策をしました。それがハードナ20です!
地下排水の場合、この対策をしておかないとコンクリートの打継面から水が漏れてしまう可能性が・・・
これで漏水対策は万全!!安心して次の作業に進むことが出来ます。
余談ですが、鉄筋の防錆剤「サビラーズ」も使用しました。こちらは使い方がイメージできる名前ですね。
コルゲートパイプは、軽量で強度・耐久性に優れているので集排水などで使用される事が多い材料です。
今回の現場でも仮排水用として設置をするため、まずは材料検収をしました。
設計通りの材料が現場に納入されたか、サイズ・規格・品質などを確認します。
サイズ違いやキズなどがあれば、期待している品質や性能が不十分になるので作業にも支障が出てしまいます。
それが後々になって見つかったら・・・取り返しのつかない事になる可能性もあるので、使用する前にはきちんと確認をします。
材料検収の様子は記録と写真も撮って完璧です!材料に不備がなかったので設置をしていきます。
基礎コンクリート打設が不要なのであっという間に設置完了です!
熱中症対策というと8月や9月の真夏を思い浮かべる方も多いかもしれません。
今年は異常気象!?茨城県は10月になってもまだ半袖が手放せない日々が続いています。
さすがに30度を超える日はなくなって来ましたが、9月末まではそんな日もありました。。。
作業員の健康管理も私の仕事!ということで現場事務所に熱中症対策のグッズを補充しました。
飴と飲料、そしてクールバンダナとクールスプレーのセットです。
そして屋外にはもうお馴染みWBGT値(暑さ指数)を測れるモニターです。
写真を撮影した日も朝から20度でした。でも言い換えれば天気に恵まれて作業が進みますね!
今年は台風の大雨でやむを得ず作業が出来ない日もありました。雨よりは少し暑いくらいの天気の方が現場は有難いです。
今日も秋晴れの空の下、体調には気を付けながら作業を進めます。
工事用道路の出入り口部分が完成したので、工事看板を設置しました。
遠くからでも目立つように黄色い看板があちこちに並んでいます。
1枚目は一般道から工事用道路に入る所に設置しました。
2枚目は工事用道路から一般道に出る所に設置しました。
3枚目は工事用道路内に設置しました。
設置する場所によって看板の内容も変わっているのが見て貰うと分かると思います。
工事用道路はこれから施工場所に向けて奥の方も作業が進むので、本格的に工事車両の往来が始まります。
その前にきちんと看板を設置し、事故やケガのない様に現場の作業環境を整えます。
黄色の工事看板と並んで「防犯カメラ作動中」の看板も設置しました。
安全面を考慮してはもちろんですが、最近は建築資材の盗難も発生しています。
無人の現場で何か発生した時(自然災害や盗難)に確認が出来るように防犯カメラを設置しました。
また、防犯以外にも施工の進捗状況を記録する事も出来ます。
安全管理、防犯対策、作業管理など様々な面で活躍してくれる仲間が出来ました。
工事用道路とは建設現場で建設資材・機材などの運搬と輸送を目的として使用されます。
工事用道路は仮設道路ですが、造り方は一般的な道路を同じです。
元々道路ではない場所に道路をつくるので、既存路盤の撤去からスタートです。
撤去が完了したら路床、路盤、基層、表層を順につくります。
写真は掲載していませんが、きちんと出来形も確認しながら工程を進めていますよ!
余談ですが、作業をしている脇に彼岸花が咲いていたので思わず写真を撮りました。
まだまだ暑さが残る昼間ですが、こうして彼岸花を見ると秋が近づいているんだなと気付かせてくれます。
工事用道路の出入口部分が完成しました。
施工場所にある木や草を伐採していきます。
バックホウの先端のアタッチメントを取り替えながら作業を進めていきます。
まずはフェラーバンチャをバックホウに取り付けます。これは伐採機械です。
ハードな使用を想定したハサミ式の伐採機で、立木伐採・集積・切断などなど1つで何役もこなしてくれます。
そしてこちらはまた別のアタッチメントです。伐採した木材を掴んで移動をするときに使います。
機械全体も軽く、木材を掴める量が多く、グリップ力が強いので木材が中抜けしにくいので安全に作業が出来ます。
重機を駆使して作業が進み、伐採があっという間に完了しました。
現場に設置している快適トイレをご紹介します。
仮設トイレのイメージは「狭い・臭い・暗い・男女兼用」など、ネガティブなイメージが多いのではないでしょうか。
建設業界でも女性の活躍が増えていることや、男女ともに働きやすい環境を整備するためにも仮設トイレの改善が求められていました。
そこで、国土交通省が仮設トイレの標準仕様を定めて、平成28年10月以降からその基準を満たす仮設トイレを「快適トイレ」と命名したんです!
豆知識はこのくらいにして・・・今回の現場は女性技術者も常駐しているので、男女別のトイレを設置しました。
男女が分かるように「女性専用」と表示してあり、サニタリーボックスや消音が出来る装置もつけました。
しかもこのトイレ!本当に快適で通常のトイレの2倍のスペースがあります。
わずかな時間でもゆったりした空間でほっと一息つける場所は大切ですね。
小さなことでも現場の働きやすさを考えてこれからも取り組んでいきます!
こちらが男性用の快適トイレです。装備は同じですが、扉や中の色が違いで男女が分かりますね。
まだ現場は始まっていませんがやることは沢山あります!
その中のひとつ、起工測量です。起工測量は工事の着手前に必ず行う重量な測量です。
今回の現場はICT施工を実施しているので、測量もICT技術を使って効率よく行います。
まずは上空からドローンを使って空中写真測量をしました。
ドローンにデジタルカメラを搭載して、測量現場を上空から撮影していきます。
より正確な地形データを収集するため、なるべく像が重ならない様に撮影していくことがポイントです!
撮影した写真を専用ソフトに取り込んで地形の三次元点群データを作成します。
データを作成と言いましたが、専用ソフト内でほぼ自動的に行われるので、完成した三次元地形データを確認すれば測量工程は完了です。
こちらは地上から三次元点群データを収集しています。こちらで使用するのは3Dレーザースキャナーです。
3Dレーザースキャナー測量は、1秒間に数千~数十万発ものレーザー光を照射するスキャナーを測定対象に照射し、
反射光の時間差を元に測定対象の形状を計測します。
今まで測量で使用されてきた計測機器TSもレーザー照射を使っている計測方法なのですが、一度の照射で得られるデータが「単点」でした。
3Dレーザースキャナーは、広範囲の点群データを「面」で同時に計測が出来るので、短時間でより広範囲の測量が出来るようになりました。